こんにちは。土筆です。
ミニ盆栽を育てるうえで一番重要なお世話が水やりです。水を上げるだけのとてもシンプルなものに思いますが、やり方を間違えると上手く育たなくなってしまうこともあります。いざ育ててみると、水やりってどのくらいの頻度で上げたらいいのかわからない、、毎日たっぷり水やりをしたのになんだか植物の調子が悪い、、など、色々な疑問など出てきませんか?お気に入りの植物が枯れてしまうなんてことは避けたいですよね。
そこで今回のコラムvol.4ではミニ盆栽を育てるうえで知っておきたい水やりの役割、水やりの◯つの基本、水やりのコツについてご紹介します。あわせて、水やりに関するQ&Aもご参考にしてみてください。
水やりの役割
水やりの役割は水分補給のためだけでなく、鉢の中の古い空気を新鮮な空気に入れ替える役割があります。水やりによって鉢の中の古い空気を水の圧力で押し出し、水の通り道に新鮮な空気が入り込むことで植物の根が酸素を吸収することができます。植物の根は呼吸をしており、酸素を取り込んで二酸化炭素を出しています。植物は水が足りなかったり、与えすぎてしまうと酸欠で根が呼吸できなくなってしまい弱っていきます。植物が元気に育つためには呼吸できる環境を作ってあげることが大切です。
水やりの3つの基本
水やり3年といった言葉があるように簡単そうにみえて難しい水やり。。ここでは失敗しない水やりの3つの基本をお伝えします。
①土の表面が乾いてから
いつのタイミングで水をあげるか?ですが土の表面が白っぽくなってから与えます。植物が必要な水分量を与えるのがベストな水やりですが、なかなか分かりにくいものです。ですが、湿った状態で水をあげると根は酸欠状態になりこれが根腐れの原因になります。しっかり土を乾かしてから水をたっぷりと与えることで、根からも新鮮な酸素と水を吸収することができます。
②鉢底から出るまでたっぷりと
水をたっぷりと与えるのが重要で、鉢の中に水がいきわたらないと根まで水が届かず水切れの原因になってしまいます。また、鉢底から出るまでたっぷり水やりをすることによって古くなった空気を下まで押し出し、新鮮な酸素を送り込むことができます。根が新鮮な酸素を吸収して光合成できやすい状態にしてあげます。
③植物の根元に与える
植物の上から水を与えると葉っぱなどで水をはじいてちゃんと土に水が行き届かない事があります。花や葉っぱに水がかかるとストレスを与えてしまい萎れたりすることもあるので注意しましょう。
水やりのコツ
いつの時間帯に水やりをしたらいいのか?ここでは季節ごとの水やりのコツをご紹介します。
春 ようやく目覚めた植物たち。気温の上昇と共に勢いよく葉っぱや花も出てきます。ですがまだ寒い時もあるので、春の水やりの頻度は気温の様子をみながら与えたほうがいいでしょう。時間帯は朝のうちに与えます。
夏 この時期の水やりは作業が多く少し大変です。夏の水やりは午前中でも日が上がっていない時間帯と、夕方は日が沈んだ時間帯がいいでしょう。夏は日が高くなってから水やりをすると、鉢の中の水が高温になり根が傷んでしまう原因になってしまうからです。もしもこの時期に水が切れた状態の植物をみつけたら、風通しの良い日陰に置いて水やりするか桶に水を張ってつけて様子をみます。寒冷紗(かんれいしゃ)や葦簀(よしず)などで遮光することができるので取り入れてみるのもいいでしょう。
秋 9月の時期の水やりも夏と同様に1日2回は毎日あげます。10月の後半くらいからは朝はたっぷりと。夕方からは気温も下がり始めるので様子をみながら与えてください。11月は乾くようなら1日1回、あとは2~3日に1回くらいを目安にします。
冬 この時期は気温も下がっているので水やりの頻度を少なくします。乾きの状態を見ながら与えて下さい。そして気温が上がりだした時間帯がいいでしょう。与える時はたぷっりとです。あまりにも寒い日は熱すぎないぬるめのお湯を与えます。こうすることで、寒さからの根へのダメージを防ぎます。
NGな水やり!
水やりの失敗は、水を与えすぎ、水切れです。前途でもお伝えしたように、①土の表面が乾いてから与える②水を与える時は底から出るまでたぷっり③植物の根元に与えるが失敗しない水やりの基本になりますのでこれからの水やりの目安にしてみてください。
水やりのQ&A
Q1. 外出時の水やりは?
A. 夏場の夕方水やりできない場合…朝に鉢の3分の1くらいが浸かる受け皿に水を張って日陰に置き浸けて出掛けるといいでしょう。
2、3日の長期間の外出の場合…給水器など少しずつ水が出るものを活用するのもいいでしょう。
Q2. 苔や化粧砂がある場合の水やりは?
A. 土の上に苔や化粧砂があると水やりのタイミングがわからないものです。こういった場合は、季節によって水やりの時間帯、回数、などを決めて水はけのよい土に植えておくことで根腐れを防ぐことができます。
Q3. 葉水はしたほうがいいか?
A. 春から秋にかけて乾燥する時期にハダニが発生しやすいので夕方に葉水をすることで予防になります。ハダニは葉の裏に寄生して栄養分を吸うので植物が弱ってしまいます。ですので、水を嫌うハダニに葉水することは繁殖を防ぐことにもなります。
Q4. 水やりで鉢から土がながれるのを防ぐには?
A. 盆栽の水やりをする時によく使うのが、先に付いているはす口のジョウロです。穴が小さいので水の出方がゆっくりで土もこぼれにくくなります。
水やりは植物を育てるのに欠かせない重要な作業です。こまめに観察して水をあげる作業は大変な時もありますが、水やりをして生き生きとしだす植物の姿をみるのは嬉しいものですよね。今回ご紹介した水やりはあくまでも基本的な方法になります。植物の種類や鉢の大きさ、~によってはー植物の調子をみながらお手入れをしてみてくださいね。